Paris Music Tour

パリの音楽について書いていきます。

生首にキス → 王「死刑!」: オペラのすすめ

図書館にDVDがあったので (お金がないので)リヒャルト・シュトラウスのオペラ「サロメ」を鑑賞しました。 

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サロメ/シュトゥック「サロメ」

簡潔にストーリー解説:

義理パパ王様エロドに踊れと言われた美少女サロメお母さん「踊っちゃだめよ」と言われていたので「ヤダ!」サロメ。しかし王様エロドここで引かない。「欲しいものを何でもあげる!」とさすが王様。美少女サロメは一目惚れの相手「洗礼者聖ヨハネの生首をくれ!」と。王様は「いいよ」と。

そしてオペラ界でも有名な「7つのヴェールの踊り」を踊るサロメエロ美しいです。

踊りの後、洗礼者ヨハネの生首を受け取り幸せなサロメ

「生きてる時は無理だったけど死んだあなたなら私の好きにできる!」

生首にキスをするサロメ。それを見た王様は「サロメを殺せー!イカれてやがるぜ!」と。

サロメ死刑!オペラ終了!

 

言うまでもなく素晴らしいです。

文学界の巨匠オスカー・ワイルドを原作に R. ストラウスの*表現主義音楽 と混ぜた傑作です。

*表現主義: 怒りや犯罪など負の思いを音楽理論を無視して感情的に表現したもの

 

しかしオペラは広まらない。一般教育を受けて社会に出るまでの過程でオペラに触れ合う機会なんてほとんどないですよね。なぜだろう...

オペラは舞台芸術の最高峰です。そしてで見なければ意味がないと思います。舞台芸術は元から録画や録音されるために作られていません。人 (観客) と人 (役者) との交流があり初めて成立します。

少し考えてみました。

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「くるみ割り人形」見てきました!

 

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モントリオールで行われていた「くるみ割り人形」を見てきました。

あまりにも美しく始まりから終わりまでずっと目がウルウルでした!

観客のウルウルだけでステージが照らせるほどです!

第1章で少女クララがくるみ割り人形をドロッセルマイアーに取り上げられてしまうシーンでは大切な物を奪われる悲しさを感じ、人形が王子様に変わるシーンでは少女が恋に落ちる瞬間が見れます。

こんなに美しく瞬間的に「恋」の瞬間が見れるのは「くるみ割り人形」だけかもしれません!

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現代音楽: グスタフ・マーラー「ロマン派まとめたった」

現代音楽とは20世紀初期の西洋クラシック音楽のことです。決してジャズやロック、ポップソンングではありません。

ロマン派音楽愛国心を高めきった作曲家たちが曲作りだけに飽き足らず哲学やら科学やらを折り込んだ「わかる人には分かる」音楽が量産されたのが現代音楽です。

バロッククラシックロマン派など今までの音楽のいいとこ取りみたいな感じなのでやはり「わかる人には分かる」と思います。

私はよくわかりませんが私なりにまとめてみました。

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ロマン派: ドイツ「なんかフランスが革命起こしたし俺らもなんかできんじゃね?」

ロマン派音楽の歴史をまとめました。

1800から1900年にヨーロッパで作られた音楽をロマン派音楽と呼んでいます。

ロマン派音楽は英語ではロマンティックミュージックと呼ばれていますが別にドレスやスーツに身を包んでお洒落なレストランでロウソクの火に照らされた料理を食べながら愛する人に「今日も素敵だよ」なんて言ってる時に流れてる曲ではありません。

ロマン派音楽とはフランス革命をきっかけに嫉妬した他の国々が愛国心を高めるための音楽です。

 

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オペラの誕生:カメラータ「めっちゃかっこいい劇できた!」

オペラの誕生は作られたもの、自然にできたものではありません。

1575から1599年、ルネサンス時代イタリアフィレンツェカメラータっていうグループがバルディさん家に夜な夜な集まって「かっこいい劇作ったる!」って意気込んで生まれたのがオペラ。そのカメラータには当時の優れた芸術家、音楽家、詩人や発明家みたいなリア充がたくさんいたわけです。

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はじめに

はじめまして、Ririです。私はカナダの大学で音楽の勉強をしています。

しかし!音楽の勉強をしていても演奏が得意なわけどもなく作曲の才能があるわけでもありません。人前に立つのも得意ではなく練習も好きではありません。

じゃあなんで音楽なんか勉強してるの?

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