Paris Music Tour

パリの音楽について書いていきます。

現代音楽曲者図鑑 part 2: アレクサンドル・スクリャービン

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「****と天才は紙一重」と言いますがスクリャービンよりこの言葉がふさわしい音楽家はいるでしょうか...

3歳からピアノを弾き始め12歳で様々なピアノコンクールで優秀な成績。

モスクワ音楽院を卒業するとき (20歳) ではベートーヴェンのピアノソナタ全てを弾きこなしていたそうです。

まぎれもない天才です。

しかし作曲科の単位は落としています。なぜでしょう?

彼もまたエリック・サティと同じように時代を超越していたからです。

しかしスクリャービンの場合は度を越しています。

私たちはまだ彼に追いつくどころか足元にも及びません。

そんなスクリャービンについて...

言うまでもなくスクリャービンはピアノの天才です。

ショパンリストと比べられ、彼らを超えたとも言われていました。

彼自身ショパンを尊敬していて彼の作曲するほとんどの曲はショパンにとても似ています。

しかし少し違う...

それは彼が左利きだったからでしょう。第1天才要素ですね。

そのため彼の曲を弾くのは右利きの私たちにはとても難しいです。ちなみに私の恋人は左利きです。(関係ない!)

1900年くらいまでの彼の曲は文句無しに美しいです。なので特に紹介しません。興味のある方は聞いてみてください。

紹介したいのは1900年後、彼がパリに渡りニーチェの哲学やに関する文献を読み、彼自身がロシア暦クリスマス生まれということが拍子を取り自分が神の使いだと思い込むようになります。そのあとは仕事を辞め作曲に力を入れるようになります。

その後、「世界の終わりを夢に見た」と言い世界の終わりを作曲し始めます...

その中の1つが Vers la flamme」(焔に向かって) という曲です。

0:32 ~

「詩曲」と彼によって名付けられていて、何かを伝えたいことは確かです。

しかし古典的楽曲分析では全く意味不明であり彼独自の理論が使われています。

生前スクリャービン「私は私の理論に基づき作曲している。」と言っていますが死ぬまで彼は理論について話さなかったため未だに分からないことが多いです。多くの学者が彼の理論について研究しています。

 

最後にもう1曲紹介します。

「Mysterium」(神秘劇) というものですが未完成で終わっています。

これは彼の持ってたと言われる「共感覚」(音を聞くことで色が見えたり味を感じたりする感覚) を土台にして作った曲です。第2天才要素です。

普通の人間には理解できないです。(彼の独自の理論が使われているため)

しかし、もしあなたが、共感覚を持っているならば是非聞いてみてください。

きっと美しい曲だから。

当初の目的はヒマラヤ山脈1週間に渡り人類の終わりと新しい人類の始まりを告げるための曲として書かれましたが完成前にスクリャービンは亡くなってしまいました。

今残っているのはスクリャービンのスケッチをまとめた3時間ほどの楽曲。

ちなみに23年かけてまとめられたそうです...

あなたが共感覚をお持ちなら、「****と天才は紙一重」紙一重を知りたいなら、聞いてみてはどうだろう。



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